詐欺師の楽園 (岩波現代文庫)



詐欺師の楽園 (岩波現代文庫)
詐欺師の楽園 (岩波現代文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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18世紀〜20世紀のヨーロッパをペテンにかけた詐欺師たち

18世紀から20世紀にかけて、欧州を舞台に、大胆な詐欺や悪戯をはたらいた人間たちをピックアップし紹介した本である。ただ、この時代の疎い私にはカサノヴァ(映画になっていた)やボーマルシェ(「フィガロの結婚」の作者)くらいしか名前さえ知らなかったペテン師たちである。

例えば冒頭には英国海軍を騙した偽物のエチオピア皇帝の話が出てくる。艦隊に「エチオピア皇帝一行が行くから歓迎せよ」とのニセ指令を送り、精いっぱい歓待させて、去っていくという悪戯であった。この一章の主人公はヴェア・コールという悪漢であるが、この騙した一味には、学生時代の若きバージニア・ウルフ(作家)もいたというのである。

このように「へえー、そんなんだ」という情報が詰まっているのも本書の魅力の一つ!だ。それも、ドイツ文学や近世の欧州社会の歴史に造詣が深い著者だからできる技であろう。
また、ペテンにひっかかった側の社会の歪みについて、精神分析的な観点から批評が加えられている点も興味深い。



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